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痛みの医療への社会的責任をはたすための認定特定非営利活動法人 「いたみラボ」
2019-03-18

Topic No.190
認知症の行動・心理症状と痛みの関連

Pain, agitation, and behavioural problems in people with dementia admitted to general hospital wards: a longitudinal cohort study.

Sampson EL, et al. Pain. 2015; 156:675-83. doi: 10.1097/j.pain.0000000000000095.

要約

目的

本研究は,総合病院入院中の認知症患者を対象として,痛みと認知症の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia; BPSD)の関連を検討することを目的とした。

方法

総合病院入院中の認知症患者230名を対象とした。痛みの評価には,Self-reported painとPain Assessment in Advanced Dementia scale(PAINAD)を用いた。Agitationの評価にはCohen-Mansfield Agitating Inventory(CMAI)を用い,BPSDの評価にはBehavioural Pathology in Alzheimer Disease Scale(BEHAVE-AD)を用いた。

結果

・入院期間中の痛みについて,Self-reported painを用いて測定した結果,39%の患者が痛みを有していた。

・入院期間中の痛みについて,PAINADを用いて測定した結果,19%の患者が安静時に痛みを有しており,57%の患者が動作時に痛みを有していた。

・PAINADとCMAIの関連を検討した結果,有意な関連は認められなかった。

・PAINADはBEHAVE-ADと強い関連を認めた。PAINADとBEHAVE-ADの下位尺度の関連を検討した結果,PAINADは,BEHAVE-ADの攻撃性尺度および不安尺度と最も強い関連を認めた。

考察

総合病院入院中の認知症患者は,痛みを有する者の割合が多く,痛みはBEHAVE-ADと関連することが示唆された。認知症患者の痛みを治療することは,認知症の行動・心理症状を改善させる可能性がある。

コメント

認知症は,総合病院においても重要な問題のひとつである。本邦では,2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症高齢者になると推計されている。未曾有の高齢社会を迎える中で,認知症に対して多方面からの対策が期待される。

ホームページ担当委員:林 和寛